コールセンターの人件費はいくら?内訳・相場と最適化の方法

「コールセンターの人件費を削減したいけど、品質は落としたくない。」
「人件費が高くなりがち。」

コールセンター運営にオペレーターの存在は欠かせないものの、コストの悩みを抱える企業は少なくありません。

むやみに人件費を削減するとお客様の対応が滞ったり、満足度低下で企業イメージも悪化したりとリスクも発生します。

本記事では、運営コストに欠かせない人件費の内訳や相場、外注と内製化での人件費の比較、対応品質を維持しながら人件費を最適化する方法などを解説します。

運営体制を整えて、コスト最適化を目指していきましょう。

運営コストの大半は人件費

コールセンターの運営コストの大半は人件費が占めています。

そもそもコールセンターは、顧客対応を行う業務であるため、オペレーターが不足しないように適切な人員配置が必要です。

オペレーターのマネジメントや教育担当者も必要なため、ハイスキルな人材の確保もコールセンター運営の肝となるでしょう。

人件費には、毎月の給与だけではなく採用費や研修費も含まれます。

コールセンター設立初期や運営に慣れていない段階では、人件費ばかりかさみ、本来求める効果が出にくい可能性もあるでしょう。

あらかじめ人件費の相場や最適化の方法を知っておくと安心です。

人件費の内訳と相場

コールセンターの人件費の内訳は次のとおりです。

  1. オペレーターの給与
  2. 管理者(SV・マネージャー)の給与
  3. 採用・研修にかかるコスト
  4. 離職によるコスト(退職・離職がある場合には上記3のコストが追加で必要)

それぞれの相場を解説するので、コールセンター運営の参考にしてください。

オペレーターの給与相場

オペレーターの給与は雇用形態によって異なりますが、一般的には以下のような相場です。

雇用形態 給与相場
正社員 398万円/年収
契約社員 250万円〜270万円/年収
派遣 1,416円/時給

正社員は、勤続年数が増えるほど年収が高く、年齢別でも55〜59歳の平均年収が最も高いです。

厚生労働省の経験年数別の所定内給与額では、0年で月給24.39万円、5〜9年で27.63万円、15年以上で33.5万円と緩やかに右肩上がりになっています。

また、専門知識が必要な対応や多言語対応など、求めるスキルによっては人件費を相場より高く設定する必要があり、自社にあった人材の確保が求められるでしょう。

管理者(SV・マネージャー)の給与相場

コールセンターを成功させるためには、SVやマネージャーなどの管理者の配置も重要です。

そもそもSVとはスーパーバイザーの略で、現場のオペレーターを直接監督したり、指導したりする役割があります。

SVはより現場に近い中間管理職として活躍する人材が良いでしょう。

一方でマネージャーはSVの上位職として、コールセンター全体の運営、管理を行います。

役職 給与相場
SV 440万円/年収
マネージャー 500〜600万円/年収

SV・マネージャーの給与は、コールセンターの規模や、求められる専門性によっても差が出ます。

規模が大きいほど、管理者も複数配置する必要があるため、運営コストにも大きな影響を与えるでしょう。

採用・研修にかかるコスト

コールセンターを内製化するには、給与以外にもオペレーター・SV・マネージャーを採用するためのコストや、コールセンターをKPIに沿って運営させるための教育・研修コストがかかります。

例えば、次のような費用がかかるでしょう。

  • 求人広告費用
  • 採用担当者の工数、人件費
  • 初期研修期間のコスト
  • 定期的な研修のコスト(外部研修・内部研修)
  • 教育担当者の人件費

特に、オペレーターが入社してすぐの初期研修期間は、電話応対品質の維持を図るためにも、座学やロールプレイングがメインです。

いち早く現場で活躍する人材を確保したいところですが、一定期間は実務対応よりもスキルを積み上げる必要があり、その間の研修コストやコールセンター稼働コストも発生するでしょう。

離職によるコスト

コールセンター業界は離職率が高く、人材確保が難しい業界です。
そのため、オペレーターが離職をすると、次のようなコストが追加で発生します。

  • 採用活動のコスト
  • 初期研修期間のコスト

例えば、初期研修期間中に離職してしまうと、研修費用を回収できないまま終わってしまいます。

さらに、経験豊富なオペレーターが離職すると電話応対の品質が低下し、顧客満足度の低下や会社全体のイメージダウンにも繋がるおそれがあるため、離職の影響はコストだけにとどまりません。

一人が離職する度に改めて採用や研修の費用が発生すると、人件費は膨らみ続ける一方です。

いかに離職率を下げて離職に伴って必要となるコストや、ブランドイメージの低下を抑えるかが重要です。

内製化と外注で人件費は変わるのか?

「内製化する方がコストを抑えられる」と考えられていますが、実際の総額は大きく変わりません。

本章では、内製と外注の場合の人件費の構造をそれぞれ詳しく解説します。

内製化の人件費の構造

内製化をした場合の人件費は、オペレーターの給与だけではありません。

会社が直接雇用するため、下記の固定費が毎月発生します。

  • 給与
  • 社会保険費用
  • 福利厚生費用
  • 管理者やスキルに応じた手当

正社員を1名雇用する場合、社会保険や福利厚生などを全て含めると、基本給の1.5〜2倍の固定費が発生します。

全て自社負担ですが、スキルや経験に合わせて、基本給や手当などの適正化を図ることができるのがメリットです。

なお、社会保険費用は週の所定労働時間が20時間以上で、月額賃金が8.8万円以上など、加入要件を満たす場合に発生します。

内製だと、正社員やパートなどの雇用形態で人員配置を工夫して固定費の調整もできますが、離職した際は採用・研修コストが生じるでしょう。

外注の人件費の構造

外注は、コールセンターを専門とする業者への委託で、業務委託費として変動費が発生します。

人件費だけではなく、初期費用、システム費、研修費、コンサル費などが含まれており、主に以下のプランであります。

プラン 詳細
月額固定制 「毎月200件まで」とコール数で費用が決まっている。契約コール数を超えると、コールオーバー費用が発生する仕組み。
従量課金制 コール1件あたりの費用が決まっている。対応件数に合わせて課金されるため、月額固定制のように「今月20件余った」という無駄はない。1件あたりの費用が月額固定制よりも高い。
成果報酬制 アポイントや成約に繋がったコールに報酬が発生する。アウトバウンドのコールセンターで利用されている。

内製にかかる手間を外注できるメリットはありますが、コスト自体は内製・外注問わず変わらないでしょう。

【結論】総額は大きく変わらない

内製と外注では「外注の方が安い」といったイメージを持たれるかもしれませんが、実際の総額はどちらも大きく変わりません。

理由は、オペレーター業務自体を人が対応するからです。

人が対応する以上、コスト総額には人件費や採用費、研修費、離職コストなどが含まれており、外注にも同等に業務委託費用として含まれています。

コストで比較検討するよりも、運営体制で自社にあっている手段を選びましょう。

コスト削減や、内製と外注でどちらが良いか悩む場合は、当社ドゥファインにお気軽にご相談ください。

委託もコンサルティングも提供しており、長年の運営力とノウハウで貴社の課題解決へとサポートいたします。

対応品質を落とさず人件費を最適化する方法

コールセンター運営に欠かせない人件費ですが、実は、対応品質を落とさず人件費を最適化する方法があります。

  • IVR(自動音声応答)の活用
  • シフトの最適化
  • 離職率の改善
  • 業務の標準化・マニュアル整備

取り組みやすい対策もあるので、次の解説を参考にしてください。

IVR(自動音声応答)の活用

IVR(自動音声応答)を導入すると、簡単な一次対応はコンピューターで自動化できます。

オペレーターの対応が減り、顧客の待ち時間も短縮されるため、業務効率向上や人件費最適化が可能です。IVRは次のような場面で活用されています。

場面 IVR対応
担当者へ振り分け 振り分けアナウンス「A部署にご用の方は1を。その他の方は0を押してください。」
簡単な対応
  • 再配達依頼
  • 営業時間確認などの情報
  • よくある問い合わせの回答、回答HPの案内

など

事前ヒアリング後に対応
  • 先にヒアリングして録音した上で、人が対応
  • 必要な電話のみ折り返し対応

業務効率が上がると、これから紹介するシフト最適化や離職率改善にも繋がるでしょう。

シフトの最適化

入電データをもとに繁忙期・閑散期の波を分析してシフトを最適化すると、無駄なく人員配置ができ、人件費の最適化に繋がります。

例えば、宿泊施設の場合は夏休みや冬休みなどの長期休暇前に呼量が増加したり、キャンペーン期間は問い合わせが増える、のように入電が増える時期を予測することができます。

繁忙期にはオペレーターを増やし、閑散期には減らすなどして、無理なく人件費の最適化に繋がる運営にしましょう。

また、必要人員数だけではなく、対応スキルに合わせた人員配置も求められます。

一部のオペレーターに負担が偏ると、離職に繋がる恐れもあるため、オペレーターの希望にも寄り添ったシフトを作成しましょう。

離職率の改善

離職率を改善することで、新規人材の採用や研修コストの削減に繋がります。

そもそも、コールセンターは離職率が高く人材の流動が激しい業界です。
人手不足は深刻で、採用コストを支払っても採用に繋がらない可能性があります。

オペレーター業務はストレスを抱えやすいので、必要な時に必要な人材がいないと、さらなる負担にも繋がります。

離職率を改善するためにも、働きやすい職場環境や対応能力を適切に把握する仕組み、評価制度の見直しなど、働きやすい環境づくりを徹底しましょう。

業務の標準化・マニュアル整備

オペレーターの応対品質を均一化して人件費を最適化するためにも、業務の標準化、FAQや対応マニュアルの整備などの仕組みをつくりましょう。

そもそも、オペレーター業務は経験やスキルによって応対品質にばらつきが生じる上、顧客によって応対が異なるため臨機応変な対応が必要です。

例えば、不明点を先輩オペレーターに質問するのは良いことですが、その分顧客対応に遅れをとってしまいます。

経験の浅いオペレーターでも一定水準の対応ができるマニュアルを整備しておけば、現場の混乱を防ぎやすくなるでしょう。

人件費見直しのための体制構築や課題解決に関するご相談は、ドゥファインへ

人件費の見直しは、単に「外注・内製が良い」という話ではなく、自社にあった体制構築や課題解決が必要です。

当社ドゥファインでは、35年間培ったノウハウでお客様の課題に合わせてサポートしております。

外注の場合は、採用・教育・離職リスクの負担が軽減でき、短期間運用やメール、LINEなどの複数チャネルでの対応も柔軟に行っております。

また、内製の場合も人件費の最適化に向けた体制設計・業務改善のコンサルティングなどのサポートが可能です。

人件費の見直しを検討している方は、ドゥファインへお気軽にご相談ください。

まとめ|人件費の最適化は運営体制の見直しから

コールセンター運営での人件費最適化は、人件費を削減するのではなく運営体制の見直しから取り組むことが重要です。

人手が足りなくなってしまうと、品質が低下しクレームが増え、さらに仕事が増えることで忙しくなり、疲弊したオペレーターが離職するという負のスパイラルに陥ります。

ですから、運営体制全体を見直すことが大切です。

人件費を無駄なく最適化させるために、まずは人件費の内訳を把握し、シフトの最適化・マニュアル整備・IVR活用・離職率改善の取り組みなどで運営体制を整備していきましょう。

自社だけで改善が難しい場合は、コールセンター運営の知見を持つ専門企業のサポートを活用するのも有効です。

ドゥファインでは35年以上のノウハウをもとに、人件費の最適化や運営体制の改善を支援しています。

見直しを検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。