成果を出すためのアウトバウンド【失敗しない委託先選びの実務視点とは】

「アウトバウンドのコールセンターを立ち上げたいけれど、なかなか大変そうだな…」

「人材の確保や研修の手間を考えると、なかなか踏み出せない」

「アウトバウンドは初めてだけど、しっかり成果は出していきたい」

そんなふうに感じること、ありますよね。

アウトバウンドは営業力が求められる分野だからこそ、社内で準備するより、外部に委託する方がうまくいくケースも多いものです。新規開拓や既存顧客の掘り起こしなど、外部の力を活用することで、スムーズに成果をあげられれば会社にとっても大きなプラスになりますよね。

このコラムでは、アウトバウンドを委託するメリットや注意点、費用感、さらに失敗を避けるためのポイントを、実務に即した形でまとめています。これからアウトバウンドを始めたい方、委託を検討中の方、過去にうまくいかなかった経験がある方も、ぜひ参考にしてみてください。

コールセンターを委託する企業が多くなっている理由と背景

近年では、人手不足の解消や業務効率の向上、高度な専門性の維持、さらにはBCP対策などの背景から、コールセンター業務を外部に委託する企業が増えています。

そもそもコールセンターを社内で運営しようとすると、人件費や設備投資などのコストがかさんでしまいがちです。加えて、人の出入りが多い職種でもあるので、稼働を安定させるのが難しいという声もよく耳にします。

また、オペレーターのスキルに依存しがちな業務でもあるため、一定の品質を保つにはマネジメント力が不可欠です。

委託であれば、内製化で生じる問題を一度に解決しつつ、コスト面も合理的であるため、委託することを決めたとおっしゃる企業が増えてきました。

アウトバウンド業務を委託するメリット

アウトバウンド業務の委託を検討する際に得られるメリットは、最も重要な判断軸のひとつです。主なメリットは3つあります。

  • コスト削減
  • 成果向上
  • リソース最適化

導入後に「思っていたほど効果が出なかった」と失敗しないためにも、以下に記載するそれぞれの解説を確認しておきましょう。

コスト削減

アウトバウンドの委託費用は、全体で見ると内製化よりも抑えられるため、コスト最適化を図れます。例えば、内製化と委託で発生する費用は次の通りです。

内製化の場合に発生する費用

委託の場合に発生する費用

  1. コールセンター設置場所の家賃(エリア・広さにより変動)
  2. 電話機器・PCなど周辺機器
  3. ネットワーク・システム構築
  4. CRMシステム導入
  5. 採用費
  6. 教育費
  7. 人件費
  8. 運営管理費
  • 初期費用(運営準備費・研修費・ブース設営費などを含む)
  • 毎月の固定費

成果報酬型、時間単位型によっても費用は異なる(人件費・設備費用・運営管理費などを含む)

  • CRMシステムは自社内で用意、または委託先のシステムを利用する場合もある

委託の場合でも、運営準備費や研修費、ブースの設営費などの初期費用に加えて、設備費用や業務管理費といった月々の固定費がかかるものです。

ただ、採用や教育、それに日々の運用管理といった負担を大幅に削減できる点は大きなメリットです。必要な時期や稼働量に応じて柔軟に対応しやすいのも、委託ならではの良さですよね。

結果として、全体のコスト面では、委託の方が効率的な運用が可能になり、社内の限られたリソースでもしっかり成果を出しやすくなるでしょう。

成果向上

委託業者は、アウトバウンドの専門家として豊富なノウハウを持っているので、成果の向上が期待できます。特に、同じ業界でのアウトバウンド実績がある委託先を選ぶことで、より高い成果を引き出しやすく、アポイントの獲得にもつながっていくでしょう。

また、専門チームが持つノウハウには、スクリプトやリストの設計、対応力、営業トーク、成果向上のためのPDCAサイクルなどが含まれています。

営業トークにおいても、

  • 短い時間で相手に魅力を伝える力
  • 質問に的確に返す対応力
  • 適度な間の取り方、
  • スムーズな日程調整

など多くのスキルが求められるため、経験豊富で確かなノウハウを備えたプロのオペレーターに委託するのがおすすめです。

委託することで、コールセンターの立ち上げ当初から高い対応品質を維持しながら、成果の向上や安定した運営につなげられるはずです。

リソース最適化

アウトバウンド業務を外部に委託することで、それまで電話対応に追われていたスタッフも、本来注力すべきコア業務に専念できるようになります。

また、「アポイント取得だけお願いしたい」「フォローコールだけ依頼したい」といった部分的な業務委託も可能ですので、社内業務を「特に売上に直結する部分」や「顧客満足度に大きく関わる部分」に集中させ、リソースの最適化を図ることができます。

実際に、「得意で重要度の高い業務は社内で担い、苦手な部分や優先度の低い業務は外部に任せる」といった切り分けをうまく活かし、成果を上げている企業様もいらっしゃいます。

アウトバウンド業務を委託する際の注意点

アウトバウンド業務は、委託したら成功するというわけではありません。委託する際の主な注意点は4つです。

  • 委託範囲と責任分担を明確にする
  • スクリプトやKPIを委託先に依存しすぎない
  • 成果の評価基準をすり合わせておく
  • 定期的な会議を実施する

「委託先と合わなかった」と失敗しないためにも、以下に記載するそれぞれの解説を確認しておきましょう。

委託範囲と責任分担を明確にする

委託を進める際には、まず業務工数の洗い出しを行い、委託範囲を明確にしておくことが大切です。そのうえで、責任分担やレポート体制なども双方でしっかりとすり合わせをしておくと良いでしょう。

もし委託範囲が曖昧なままだと、急ぎの対応が必要な時にお互いに手が回らなかったり、お客様への返答が遅れてご迷惑をおかけしてしまうリスクがありますから。

例えば、「アポイントまでは取れなかったけれど、資料だけ送ってほしい」といったケースも出てくるでしょう。資料を誰が送付するのか、メール文は誰が作成するのかなど、あらかじめ決めておくことが必要です。

実際の業務フローを具体的に想定しながら、委託範囲や責任分担を決めておくと、よりスムーズな運営につながりますよ。

スクリプトやKPIを委託先に依存しすぎない

委託業者がしっかりとノウハウを持っているからといって、スクリプトやKPIに過度に依存しすぎないようにしたいところです。

依存しすぎてしまうと、数字が伸びないときに自社の課題として向き合えず、成果につながりにくくなってしまうんです。

少し耳が痛い話かもしれませんが、自分たちのこととして捉えないと、成果を出すためのPDCAサイクルは回せません。

ですから、架電音声をモニタリングしてフィードバックを行ったり、委託先と密にコミュニケーションを取ったりして、日々の運営に主体的に関わることをおすすめします。

当事者意識をしっかり持ちながら、委託先と連携していきたいですね。

成果の評価基準をすり合わせておく

あらかじめ、委託先と成果の評価基準をすり合わせておくことで、共通の目標を持ちながら取り組めるようにしておきたいですね。

例えば、契約目標から逆算して「1ヶ月のアポイント15件」や「商談化率30%」といった数字を決めて、何をもって成果とするのかをきちんと明文化しておくと良いでしょう。

評価基準を明確にした後は、具体的な行動に落とし込むために、架電数、接触率、有効会話率、アポイント率、商談化率、成約率なども設定しておくと安心です。

細かい基準を設けることで、もしアポイント率や接触率が下がってきた場合でも、どこに課題があるのかを把握できますし、委託先と数字を共有しながら課題を特定していけます

こうした積み重ねが、最終的に成果につながっていくのです。

定期的な会議を実施する

業務を委託した後は、定期的に会議を行いながら目標や進捗を管理し、同じ熱量で仕事に取り組めているかをしっかり確認することが大切です。

会議では、設定したKPIをもとに結果を分析し、課題の特定や次回に向けた施策を検討しながら、PDCAをしっかりと回していきましょう。

当社ドゥファインでも、成果を出している企業様の多くは、週に1回の会議を実施しています。現場、管理者、企業担当者が積極的に連携を取り合い、同じ熱量で取り組んでいるのが特徴です。

契約時に定例会議の頻度をしっかりと決めておくことで、密なコミュニケーションを取りながら進めていけますよ。

アウトバウンド業務を委託する場合の費用形態・費用感

アウトバウンドを委託する際に、気になるのがやはり費用の形態や費用感ですよね。

費用対効果をしっかり見極める必要があるため、コストを重視して選ぶ方も多いのですが、安さだけを重視してしまうと委託先と合わずに失敗してしまうリスクも出てきます。

まずは一般的な費用情報を知り、自社に本当に合った委託先を見つけていくことが大切ですね。本章では、以下の視点から詳しく解説していきます。

  • 時間単価制の特徴と、適している業態・業種
  • 成果報酬型の特徴と、適している業態・業種
  • 稼働規模別・導入ケース別の費用イメージ

それぞれの費用形態を、自社の状況に合わせて適切に選定することで、無駄なコストを抑えながら、費用対効果をしっかり高めていけるはずです。順に詳しく見ていきましょう。

時間単価制の特徴と適している業態・業種

時間単価制は、稼働時間に応じて料金が発生する仕組みです。

適している業態・業種

  • 安定稼働型の企業
  • 業務量が予測しやすい企業
  • 予算管理を安定させたい企業
  • 大量の架電を要する企業

料金相場

1時間あたり2,000円〜4,000円

メリット

  • 業務時間分に応じて柔軟に設定できる
  • 追加費用の発生がしにくく、予算管理しやすい

デメリット

  • 成果が出ていない場合も稼働時間に応じた費用が発生

稼働量があらかじめ予測できていれば、時間制での委託もしやすくなるでしょう。

ただし、成果が出なくても稼働時間に応じた料金が発生する仕組みですので、成果が見込めるかどうかを見極める意味でも、まずは1席からのスモールスタートを検討できると安心です。

のちほどに説明する、自社業務に合わせた「スモールスタート」ができるかでも詳しく解説します。

成果報酬型の特徴と適している業態・業種

成果報酬型は、アポイント取得や商談設定毎に料金が発生する仕組みです。

適している業態・業種

  • 成果に対する明確なKPIがある企業
  • リード精度が高く、案件化に自信がある企業
  • 新規事業の新規開拓をする企業
  • アポイントの獲得難易度が高い商材を打ち出す企業
  • リスクを抑えて成果を最大化したい企業

料金相場

アポイント1件あたり8,000円〜15,000円

メリット

  • 成果が出た分だけ料金が発生するため、無駄なコストを抑えられる
  • 報酬が高いと委託先のモチベーションになる

デメリット

  • 支払い額が決まっておらず、予算管理をしづらい
  • 難易度の高い商材では請け手が限られる

料金が後払いになることで無駄なコストを抑えやすい一方で、成果に応じて支払額が変動するため予算管理をしづらかったり、難易度の高い商材の場合には請け手側からお断りされるケースも出てくるかもしれません。

稼働規模別・導入ケース別の費用イメージ

ここからは、稼働規模別・導入ケース別の費用イメージをご紹介します。

ただし、実際の費用は委託先の条件やアポイントの月間目標、必要な架電数、商材の特性などによって変動しますので、あくまで目安として参考にしてください。

  • 1席・週5日・1日8時間稼働の時間単価制の場合…月額320,000円(1時間2,000円)
  • 1席・週5日・1日4時間稼働の時間単価制の場合…月額160,000円(1時間2,000円)

いずれも、内製化で1名分の人員を雇用するイメージで委託できます。

プロのオペレーターに依頼することで、離職リスクを抑えながら、既に持っているノウハウを活かしてスムーズに導入できる点も大きな魅力です。

実際に導入を検討される際は、複数の業者から見積もりを取得し、慎重に比較検討することをおすすめします。

失敗しないための委託先選び5つの実務視点

せっかく委託先を決めても、中には「成果が思ったように出なかった」と諦めてしまう企業様もいらっしゃいます。こうした委託の失敗を防ぐためにも、実務の視点で大切にしたい委託先選びのポイントを5つご紹介します。

  • 委託先が「成果報告やKPI共有」の体制を持っているか
  • 自社業務に合わせた「スモールスタート」が可能かどうか
  • 業務内容の提案や改善に対して「積極的な姿勢」が見られるか
  • 自社と近い「業界や商材での委託実績」があるかどうか
  • 内製化まで考えたサポート体制があるか

これらのポイントをしっかりと確認しながら、委託先を選定していくことで、成果につながるパートナーシップを築いていきましょう。

委託先が「成果報告やKPI共有」の体制を持っているか

単なる稼働報告だけでなく、成果報告やKPIの共有、分析内容をしっかりと可視化して報告してくれる体制があるかを確認しておきましょう。

アウトバウンド業務は、架電の質を高めてこそアポイントにつながるものです。データを蓄積してPDCAを回すためにも、随時レポートのようにわかりやすく共有される仕組みがあると安心です。

たとえば、あと一歩でアポイントにつながりそうだった対応でも、分析して次の施策が報告されると、無駄のない活動につながっていきます。

成果報告や、失敗から得た知見、KPIの進捗状況などを随時共有してもらいながら、確実に把握していきたいですね。

自社業務に合わせた「スモールスタート」ができるか

自社の業務に合わせて、1席や短時間からの「スモールスタート」で試せると、万が一合わなかった際にもリスクを抑えられます。

実際に委託先を選んでも、担当者との相性や委託基準の未達、自社サービスとのミスマッチなど、契約解除の要因はさまざま考えられます。

特に、年間契約を結んでしまうと解約リスクが大きくなるため、柔軟にスモールスタートできる体制があるかをしっかりと確認しておくと良いでしょう。

業務内容の提案や改善に「積極的な姿勢」があるか

単に架電業務をこなすだけでなく、業務内容の提案や改善を積極的に行う委託先かどうかも重要なポイントです。

アウトバウンド業務は、相手のお客様が常に同じではないため、トライアンドエラーを重ねて臨機応変な対応が求められます。

特に、アポイントを断られた際に「B社のサービスを使っているから断った」など、現場ならではのお客様の声を集められると、次の戦略にも役立てられます。現場の知見を活かしながら、改善提案まで行ってくれる会社かどうかを、ぜひ見極めていきましょう。

自社と近い「業界や商材での委託実績」があるか

自社の業界や商材に近い実績がある委託先を選ぶことで、豊富なノウハウや経験に基づいた架電が期待でき、成果にもつながりやすくなります。そもそも架電を受けた相手にとっては、オペレーターも自社の一員として見られるものです。

質問に対しても経験則でしっかり返せると、「もう少し話を聞いてみようかな」とアポイントに結びつきやすくなるでしょう。

また、自社に近いサービスの委託実績があれば、ターゲット層や商材への理解も早く、立ち上がりもスムーズです。委託先を選ぶ際には、実績をあらかじめしっかり確認しておくことをおすすめします。

内製化まで考えたサポート体制があるか(※ここは要確認)

アウトバウンド業務を委託すると、自社にノウハウが残りにくいという声もあります。

だからこそ、万が一にでもコールセンターを内製化する可能性を視野に入れて、自社にノウハウを蓄積できるフォローやサポートが用意されていると安心です。

また、立ち上げ時にはターゲティングやリスト作成、トークスクリプトの設計など、準備することがたくさんありますから、委託していた業務を内製化に変更していく場合にも支援してくれる委託先を選びたいですね。

まとめ:ドゥファインなら1席からでもOK

この記事では、アウトバウンド業務を外部に委託するメリットや費用感、成果を出すためのポイントを実務視点でまとめてきました。

人手不足やコスト面での課題を解決できるだけでなく、成果向上や社内リソースの最適化にもつながる委託ですが、成功には適切な委託先の選定が欠かせません。

委託先の実績や改善提案への姿勢、スモールスタートの柔軟さなどをしっかり見極めながら、自社に合ったパートナーを選ぶことが成果への近道になります。

ドゥファインなら、1席からの依頼が可能で小規模コールセンターとしても始められます。

アウトバウンドが初めての企業様や、委託が初めての企業様、これまでの委託で上手くいかなかった企業様もまずは、自社に合っているか、課題感を解決できそうか、情報収集の観点からでもお気軽にお問合せください。

 

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